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「ヒロシマ・アピールズ」2023 ポスター
タイトル:人差し指
デザイン:中村至男 (なかむら・のりお)
サイズ:B1(728×1,030mm)
印 刷:凸版印刷株式会社
用 紙:株式会社竹尾
制作コメント
先の戦争は、物心がついた時にはもう教科書の中の昔の出来事だった。ながく平和だと思いこみ育ってしまったが、歳を重ねるほど、この世界の危うさに自分の甘さを思い知る。震災、原発事故、疫病や戦争……想像を超えることが次々と起きる時代を生き、わかったつもりで世界を憂いても、核兵器使用?まさか、と心の底に一粒の傍観が残る自分に今一度問いたい。
このポスターを制作しながら、手元のスマホに目をやると、まさに広島からG7サミットが生中継され、各国首脳陣が原爆資料館を出て記念碑へと向かっている。核兵器は人間の所業に他ならない。人が起こすことは人が止められるのだ。
そんなことを想いながら1945年と地続きの”今”を表現した。この指は人間の弱さの象徴である。「人差し指」と名づけたこの一枚。2023年、広島からの訴えをつなぐ鎖のひとつになれたらと願っている。
「ヒロシマ・アピールズ」ポスターとは
1983年、第1回作品として、当時JAGDA会長の故・亀倉雄策氏による「燃え落ちる蝶」を発表。その後1989年まで、毎年JAGDA会員1名がボランティアで1点ずつ新しいポスターを制作。ポスターは広島市長への贈呈のほか、1985年にスイス・ジュネーブでの米ソ首脳会談前に開かれた原爆資料展、1997年の欧州ヒロシマ展で紹介されるなど、海外でも反響を呼びました。戦後60周年を迎えた2005年に制作を再開し、平和市長会議の加盟都市への寄贈や2016年G7広島外相会合プレスセンターでの展示、2019年に広島を訪日したローマ教皇への寄贈など、海外に向けて平和を希求する心を発信し続けています。
・主催:一般財団法人広島国際文化財団、公益財団法人ヒロシマ平和創造基金、JAGDA広島地区
・協力:凸版印刷株式会社、株式会社竹尾
歴代制作者:
1983 亀倉雄策/1984 粟津 潔/1985 福田繁雄/1986 早川良雄/1987 永井一正/1988 田中一光/1989 勝井三雄/1990 石岡瑛子/2005 仲條正義/2006 佐藤晃一/2007 松永 真/2008 青葉益輝/2009 浅葉克己/2010 長友啓典/2011 遠藤 享/2012 奥村靫正/2013 葛西 薫/2014 井上嗣也/2015 佐藤 卓/2016 上條喬久/2017 原 研哉/2018 服部一成/2019 澁谷克彦/2020 渡邉良重/2021 大貫卓也/2022 佐藤可士和/2023 中村至男