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「ヒロシマ・アピールズ」2016 ポスター
タイトル:「祈りの風景」
デザイン:上條喬久(かみじょう・たかひさ)
サイズ:B1(728×1,030mm)
印 刷:凸版印刷株式会社
用 紙:株式会社竹尾
制作コメント
2016年5月、現職の米大統領として初めて、オバマ大統領の広島訪問が実現し、スピーチで「核兵器廃絶」の願いが明快に述べられた。それは戦後71年で初めての快挙と言える出来事であった。
その同じ時期、私はHIROSHIMA APPEALSの平和ポスターの制作を始め、原爆の悲惨さをいかにシンボリックに表現するかに腐心していた。しかし、オバマ大統領訪問の陰にあった広島の人々の努力と平和への想いを知って、それまでの考え方を大きく転換することになった。告発し、謝罪を喚起するという対立軸ではなく、赦し、和解し、共に祈るという、深く静かな強い平和への希望を軸とする表現である。
私は常々、グラフィック・デザインの作品は街や生活の中で、風景になって欲しいと願っている。つまり、自分の内なる想いが受け入れられ、風景となって存在することが理想と考えている。
HIROSHIMA APPEALS 2016も平和を強く希求し祈る気持ちをカタチにした。祈りがカタチになった。もしも、そこに共感が生まれるならば、きっと大きなメッセージとなり、祈りの風景になることを願っている。
「ヒロシマ・アピールズ」ポスターとは
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 (JAGDA)と財団法人広島国際文化財団が1983年、言葉を超えて「ヒロシマの心」を訴えるポスターを共同制作、内外に平和を呼びかけるキャンペーンの構想を発表。同年に第1回作品として、当時JAGDA会長だった故亀倉雄策氏の「燃え落ちる蝶」が発表され、その後8年間、毎年1点ずつ新しいポスターが制作されました。
ポスターは一般販売されたほか、「平和ポスター展」として全国各地で巡回展示されました。平和市長会議の参加都市に贈られ、85年にスイス・ジュネーブでの米ソ首脳会談前に開かれた原爆資料展、97年の欧州ヒロシマ展で紹介されるなど、海外でも反響を呼びました。
戦後60周年を迎えた2005年を機に制作を再開しています。
制作者:
1983 亀倉雄策/1984 粟津 潔/1985 福田繁雄/1986 早川良雄/1987 永井一正/1988 田中一光/1989 勝井三雄/2005 仲條正義/2006 佐藤晃一/2007 松永 真/2008 青葉益輝/2009 浅葉克己/2010 長友啓典/2011 遠藤 享/2012 奥村靫正/2013 葛西 薫/2014 井上嗣也/2015 佐藤 卓/2016 上條喬久/